2016年YOUPLIDのご報告

2017/02/09

(報告/インターン木村)
 

9月7日(水)~9日(金)の3日間、独立行政法人国際協力機構(JICA)の「地球ひろば」と青山学院女子短期大学を会場に、YOUPLIDを実施しました。YOUPLIDは多くの学生に国際協力を身近に感じてもらうために行っているプログラムです。青山学院女子短期大学と連携し、毎年夏に行っています。
 
プログラムの中心は国際協力のプロジェクトの立案、発表です。国際協力への理解をより深めることができる様々なアクティビティを行いながら、グループで1つのプランを作り上げ、とても充実した活動となりました。
 
1日目は7月19日(火)の事前学習以来の顔合わせでしたので、まず自己紹介をして、アイスブレイクとしてミニゲームをしました。次に、参加者をグループに分け事前学習の復習クイズを行いました。活発な参加を促すためチーム対抗戦のかたちをとり、国際協力にはどんなアクターがあるかなど答えてもらいました。
最後に、「このTシャツはどこからくるの?」というACEのコットンワークショップを行いました。学生たちは自分自身と生産者の繋がりを実感し、コットン産業の児童労働や貧困格差問題は身近に起きている問題であることを学びました。
そして、このアクティビティを受け、「なぜ学校に行けない子ども達がいるのか」という問いに対し、その原因を出し合うマインドマップを作りました。マインドマップで出た意見を参考に、その問いに対する問題分析を行い、グループごとに発表しました。
今回、例年行っていたカカオ産業における児童労働・「おいしいチョコレートの真実」からコットン産業のロールプレイに変更しました。チョコレートに比べ、生活に不可欠であるTシャツやファッションという点から身近であったようで、取り上げられている問題に対する学生の関心が、今までと比べて高くなっていました。また、ワークショップで登場したオーガニック・コットンという観点は、他の講義に含まれていたエシカルファッションやフェアトレードとの一貫性があったので、学生にとってより関心を深める機会となりました。
 
2日目は毎年恒例のブルカゲームで賑やかに始まりました。Save the Childrenの中谷美南子さんから東日本大震災復興支援事業について話を聞き、震災前と震災直後、震災後でどのような変化が起きたのか皆で話し合いました。例年、多くの学生が関東出身であるため似たり寄ったりの意見交換をして終わる傾向にあるのですが、今回は両極端の意見がありました。福島県出身で実際に被災した学生は震災直後のことを今でも色濃く覚えているのに対し、関西出身の学生は震災当時大きな揺れも感じず計画停電もなかったため「何も変わらなかった」と話していました。
次に、1日目の問題分析から自分たちが最もアプローチしたい課題を決め、課題解決の道筋を立てる目的分析を行いました。午後からはUNHCRを訪問し、職員の北川愛里さんからUNHCRの活動や難民についての話を聞きました。北川さんのキャリアについて伺ったり、卒業論文の内容に絡めて「難民の中に少年兵はいますか?」という質問をしたりする学生もいました。最後に、フェアトレードショップMOTHER HOUSを訪問し、2日目が終わりました。
 
3日目はゲストスピーカー・トコさんの出身国・コンゴについておおまかに触れるミニクイズから始まりました。クイズを終えたところで、ルケバナ・ウィリー・トコさんのお話を聞きました。それまで身近には感じていなかったコンゴという国や支援を受ける側の視点から見た支援の在り方についてお話をいただきました。多くの学生が、「国際支援が権力者や企業の利益に繋がり、本当の助けを必要としている人に支援がいきわたっていない」というトコさんの言葉に衝撃を受けている様子でした。
その後、2日目の目的分析を基にアクションプランを作成しました。グループでとことん話し合い、何ができるのか考えながら、プロジェクトを練っていきました。
そして、3日目の締めくくりに完成したプロジェクトの発表です。毎年様々な視点からプランが生まれるのですが、どのグループも女の子が学校に通うためのプロジェクトを立案するかたちになりました。しかし、それぞれ違う角度からアプローチしているため内容が異なるものになっており、興味深い発表になりました。
 
参加者からは、「(Tシャツの)生産過程の背景に児童労働があり、亡くなる子どもがいるという事実がショックだった」、「国際協力が日本でも行われていると思っていなかった」、「目的、費用、期間を中心に企画を立てることの難しさがわかった」、などといった感想が寄せられました。
プログラム終了後には、ファシリテーターに話しかけ、10月に開催されたグローバルフェスタでのブースを手伝う学生がいたり、ファシリテーターの1人である杉原たみさんが主宰するTammy’s Treatでのボランティアに申し出たりする学生が多く見受けられました。また、3日間を通して新たな視点が得られ、YOUPLIDの目的の1つである、「異文化や異なる価値観など多様性を受け入れる寛容性」を身に付けられたのではないかと感じます。
3日間だけに留まらない、アクティブな学生に恵まれた3日間となりました。
 
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https://i0.wp.com/www.glminstitute.org/wp/wp-content/uploads/2017/02/アクションプラン作成.jpg?resize=300%2C225&ssl=1
 

https://i0.wp.com/www.glminstitute.org/wp/wp-content/uploads/2017/02/集合写真.jpg?resize=300%2C225&ssl=1


 

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