I-FARM 1年次完了報告

2017/02/20

ジーエルエム・インスティチュート(GLMi)では、2015年12月、外務省日本NGO連携無償資金協力により、フィリピン・ヌエバ・ビスカヤ州とイザベラ州の零細稲作農民の収入向上を目的とした「I-FARM(ルソン北部における零細稲作農民の営農改善を通じた農業収入向上事業)」を開始し、2016年12月に1年次が終了しました。以下、1年次の様子と2年次の計画をご報告します。

I-FARMの概要

GLMiは、従来からヌエバ・ビスカヤ州においてARMLEDSILFOR (現:Vizcaya FRESH!) といったプロジェクトを行ってきました。それらのプロジェクトを行う中で、地域の零細い稲作農民は農業では生産性を賄えず貧困に陥っており、収入向上には、農業「純」収入増加が不可欠であることがわかりました。そのため農民が農業を経営と捉えて、計画性をもって生産性を向上させられるよう、有機肥料製造技術や生産性向上の指導、経営計画を立てるための研修などを活動内容としています。

1年次の報告

1年次はまずプロジェクトのオリエンテーション、基礎調査、対象農民の選定、町役場との連携体制構築を行いました。そして、農業省関係機関や個人専門家と協力して、対象3村約100名の零細稲作農民に対して合計50回程の営農改善研修を実施しました。研修では、まず農民に収支計算や営農計画策定方法を指導しました。これにより農民は稲作栽培による収支状況を把握することができました。そして彼らの多くのは、予想以上にコストが大きいことそして純利益が少ないこと(純損失が発生している農民もいました)に気づいたようでした。
次に、農民が肥料や農薬を購入するために高利貸しから借金をしているという問題に対しては、化学肥料や農薬に頼らない米作りの指導を行いました。具体的には、身の回りで手に入る材料を活用した有機肥料作りや、籾殻燻炭の製造技術などの指導をしました。また、農業省と連携して「土壌検査」を実施し、適切な量と種類の施肥について指導しました。その結果、「収量が前回に比べて約1トン増えた」と話す農民もおり、目に見える成果を得ることが出来ました。

有機肥料を使った苗床作りの様子

 

さらに、「作物保険加入」のサポートや「栽培作物の多様化(野菜栽培)」にも取り組みました。作物保険に関しては、国営の保険会社があるにも関わらず、末端の農民には普及していなかったため、I-FARMが町農業課と協力して作物保険の説明会を実施、加入手続きの支援をしました。そして2016年10月、大型台風ラウィンがルソン島北部を直撃し、農地が大打撃を受けた際には、作物保険に加入していた農民は無事に保険金を受給し(約5,000ペソ~8,200ペソ、米にして約0.33トン~0.55トン)、被害状況に応じた対価を得ることが出来ました。また、野菜栽培に関しては、過去のプロジェクトで立ち上げたNGO「ビスカヤ・フレッシュ」の協力を得て、有機野菜の栽培を目指す農民に対して野菜栽培の指導をしました。また、ヌエバ・ビスカヤ州立大学との連携の下でキノコ栽培指導を実施、2016年12月には初の収穫を迎えました。

さらに、「作物保険加入」のサポートや「栽培作物の多様化(野菜栽培)」にも取り組みました。作物保険に関しては、国営の保険会社があるにも関わらず、末端の農民には普及していなかったため、I-FARMが町農業課と協力して作物保険の説明会を実施、加入手続きの支援をしました。そして2016年10月、大型台風ラウィンがルソン島北部を直撃し、農地が大打撃を受けた際には、作物保険に加入していた農民は無事に保険金を受給し(約5,000ペソ~8,200ペソ、米にして約0.33トン~0.55トン)、被害状況に応じた対価を得ることが出来ました。また、野菜栽培に関しては、過去のプロジェクトで立ち上げたNGO「ビスカヤ・フレッシュ」の協力を得て、有機野菜の栽培を目指す農民に対して野菜栽培の指導をしました。また、ヌエバ・ビスカヤ州立大学との連携の下でキノコ栽培指導を実施、2016年12月には初の収穫を迎えました。

イザベラ州サガット村での研修の様子

 

2年次の計画

以上のように、1年次に実施した稲作や有機肥料製造、野菜栽培など幅広い研修により、農民の知識や技術は向上し、彼らの農地では「新たな試み」が開始されました。そして、I-FARM最終年となる2年次は、この「新たな試み」を「着実」なものにしていくための大変重要な年となります。加えてI-FARMでは2年次には、①米や野菜のマーケティング支援と②農道補修とコミュニティ灌漑設備整備も計画しています。①については、「Magat Rice」(対象地の水源であるマガット川から命名)として米をブランド化し、販売支援を本格化させます。②については、裨益者や町・村議会と共同で実施することにより、現地のコミットメントを得て、持続発展性の担保を狙います。このように、2年次もフィリピン人スタッフと共に、対象農民など現地との「対話」を大切に尽力していきますので、ご指導の程どうかよろしくお願いいたします。

 

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