CADVESプロジェクト1年次中間報告(2017年12月)

2018/09/25

ジーエルエム・インスティチュートは、2017年3月から、ケニアプロジェクト(CADVES)を実施しています。ケニア事務所の臼井麻乃事務・業務調整統括と山田哲也プログラム・コーディネーターが進捗を報告します。

CADVESとは

CADVESは、マサイ族が多く居住しているケニア南東部、タンザニアとの国境沿いに広がるアンボセリ国立公園を含む、カジアド郡ロイトクトク県の30村の公立小学校30校において、子どもたちに対し質の良い教育を提供することを目的としています。地域の住民が主体的に学校運営に参加することにより、その地域が必要としている学校改善を目指しています。

リーダーシップ・ガバナンス研修の実施

今年の7月に、活動の対象となる30校の校長先生、学校運営委員会の委員長および地方行政官各1名の合計89名に対し、「リーダーシップ・ガバナンス研修」を実施しました。はじめに、CADVESの目的、学校を運営するための計画の作成方法や、西アフリカにおいて学校近隣の地域住民も参加して行う学校運営の事例が紹介されました。また、「障害」の概念および特別な配慮が必要な子どもたちも包括する教育(インクルーシブ教育)が紹介されました。CADVESでは6月に対象30校において調査を実施しており、学校に通っていない子ども、障害児の現状も併せて紹介しました。
さらにケニアを含む東アフリカの3か国で実施された、6歳から16歳を対象にした読み書きおよび算数の学力調査や、CADVESが6月に実施した学力調査の分析結果を紹介しました。

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ロイトクトク県内の多くの公立小学校では学校に通う子どもたちが増加していますが、それに対応できる適切な教員の数を確保できておらず、地域住民が資金集めて教員を雇っています。しかし、CADVESの調査の分析では、地域住民の参加が必ずしも学習(テスト結果)の改善には繋がっていないことが分かりました。この結果を踏まえて、参加者間で白熱した議論が行われ、地域住民の参加を学習の改善にどのように繋げるか考える良い機会となりました。

低学年教員研修の実施

公立学校の教員は、研修の機会が不足していると言われており、対象30校の低学年教員60名に対し、算数と公用語の教員研修を実施しました。算数教育を専門とする中和専門家(関東学院大学専任講師)より、低学年の生徒に数の概念の理解を促す効果的な教授法が紹介されました。またケニアの公用語は英語とスワヒリ語ですが、現在は英語教育に重点が置かれている一方、スワヒリ語教育について困難な状況を抱えていることが参加者より指摘されました。そのため、CADVESでは算数及びスワヒリ語に焦点を当てています。
7月に実施した両研修ともに参加率はほぼ100パーセントに達し、参加者の研修に対する関心の高さを裏付けるものとなりました。

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コミュニティ会議の開催

 大統領選挙・再選挙の混乱から何度か中断を余儀なくされましたが、9月より各学校で学校改善について話し合うコミュニティ会議を開催しています。こうした会議は住民や保護者にとって初めての体験でしたが、学校が抱える課題を話し合う中で、「教員不足を補うためにお金を出し合おう」、「家畜の世話をさせられている学校に通っていない子どもを見つけたら学校に報告しよう」という声も聞かれました。
ケニアには援助に頼ってしまう体質が未だ蔓延しており、CADVESのスタッフがコミュニティ会議に参加すると、「あなたたちは私たちに何をしてくれるのですか?」という住民の声が聞かれます。「学校はコミュニティのものでもある」と何度も説明を続けることで、徐々に学校に対して積極的に参加する姿勢を作り出し、地域のコミュニティによって自律した学校運営の仕組みを作っていきたいと考えています。

(ケニア事務所/臼井麻乃・山田哲也)

 

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