第8回国際協力塾合宿のご報告

2017/09/29

 

ジーエルエム・インスティチュート(GLMi)は、2017年8月13日から22日の10日間、国際協力塾合宿を実施しました。4名の合宿参加者が集まり、出会いと学びに満ちた2週間を報告します。

国際協力塾合宿の概要

国際協力塾合宿とは、参加者がGLMiの実施するプロジェクト(VFI:有機野菜の販売・マーケティングプロジェクトで立ち上げた現地NGO、ARMLED:農業機械のレンタルプロジェクト、I-FARM:営農改善を通じた農業収入向上プロジェクト)に入り込み、国際協力やソーシャル・ビジネス、農村開発等に関する知見を深め、現場を見る眼、そして将来のグローバルリーダーとなるための「ちから」を養うことを目的とした、約2週間のプログラムです。2009年より毎夏(2016年を除く)、フィリピンで実施しており、今年で8回目を迎えました。

第8回国際協力塾合宿スケジュール

Day1

マニラにて集合、ユニカセ訪問

Day2

JICAフィリピン事務所訪問、ヌエバ・ビスカヤ(NV)州への移動

Day3

オリエンテーション

Day4

【I-FARMプロジェクトでの調査】
対象農家への訪問、農民へのインタビュー

Day5

【ARMLEDプロジェクトでの調査】
田植え・農機操作体験、農民へのインタビュー、ヌエバ・ビスカヤ州立大学でのインタビュー、スタッフへのインタビュー

Day6

【VFIでの調査】
対象農家への訪問、農民へのインタビュー、店舗の見学

Day7

【追加調査・プレゼンテーション準備】
ヌエバ・ビスカヤ州立大学でのインタビュー、ARMLEDスタッフへのインタビュー、プレゼンテーションの作成

Day8

最終発表会・送別会

Day9

歴史的遺産の見学・ソラノ市内散策

Day10

マニラへの移動・解散

※ユニカセは、人身売買などの苦痛な経験を持つ青少年の雇用の機会を創出し、トレーニングを行うことで彼らが自立することを目指す社会企業レストラン。

調査テーマ

今回の参加者は、「植物病に対する農民の理解」「開発プロジェクトにおける住民との関係」「ソーシャル・ビジネスにおける課題」をテーマとしました。植物病については、農業と強く関連する生命科学を専攻する大学生2名が調べ、それぞれがウィルスと菌の異なる視点からアプローチしました。

フィリピンでの活動の様子

  • ①ユニカセ訪問(マニラ)
    1日目はマニラで集合し、ユニカセへの訪問を行いました。ユニカセは、人身売買などの経験を持つ青少年を雇用し社会人として訓練しつつ、レストランビジネスを展開する社会的企業です。農村部へ移動する前に、都市部の問題の一例を理解し、また、ARMLEDやVFIとは異なるソーシャル・ビジネスの形を知る貴重な機会となりました。
  • ②JICA訪問(マニラ)
    2日目、午前中にJICA事務所を訪問し、その後ヌエバ・ビスカヤ州に移動しました。JICAでは、フィリピンの開発課題やJICAの仕事について説明を受け、基礎的な背景知識を身に付けました。
  • ③プロジェクトサイト見学・調査
    3日目に各プロジェクトのスタッフから概要とスケジュールについてオリエンテーションを受け、4日目から6日目にプロジェクトサイトで調査を行いました。各プロジェクトの参加農民へのインタビュー調査を多く行いましたが、質問の意図が伝わるまでに時間がかる、予想と全く異なる回答に戸惑うなど、全員がほぼ初めての調査に四苦八苦する姿が見られました。 また、農民の視点を持つために織り交ぜている田植えなどの農作業体験では、農業の日常的な苦労を実感しているようでした。6日目は、当初は発表準備を終日行う予定でしたが、参加者の強い希望により、急遽追加インタビューを調整して行いました。その後、参加者は夜遅くまで資料の作成に打ち込みました。
  • ④最終発表
    7日目、参加者が最も緊張する活動である最終発表会を行いました。各プロジェクトのスタッフに向けて、「NV州における菌による植物病への農民の認識」「NV州におけるウィルスによる植物病への対策」「農村開発の実施者と受益者の関係向上に必要な要素」「アグリ・ビジネスにおける生産者と消費者の顔の見える関係による質の向上」と題した発表を行いました。現地スタッフからは、例年以上に「見逃していた課題に気付かされた」「専門的な知識の必要性を再認識させられた」と発表を評価する声が聞かれました。
農民にインタビューする様子

参加者の感想

  • 期待以上を得られた合宿となりました。ソーシャル・ビジネスの現場を目撃したこと、自分の無力さを実感したことだけでなく、刺激し合える仲間も得られました。
  • 自分を見つめる機会が多く、将来を意識することができたのが一番の収穫でした。何を期待されているのか、何が足りないのかを思いがけずこの合宿で理解出来ました。
  • フィリピンの人も合宿の参加者もそれぞれ個性を持っており、とても良い刺激になりました。その中で自分の強みになるものも改めて知ることが出来ました。
  • 正直ここまでのレベルのものを想像していませんでした。それぞれが問題意識を持ち取り組んでいたので、切磋琢磨した経験がとても良かったと思います。
  • 様々な場所、人、出来事から刺激をもらい、とても良かったです。
インタビュー調査だけでなく農作業も体験

 

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