開発援助の現場から第4回 インドネシア:マラリア対策

2004/04/01

岡市志奈(GLMi会員)
yakihata
みなさん、突然ですが「マラリア」がどんな病気かご存知ですか?マラリアとは、ハマダラカ属の蚊を媒介として、マラリア原虫が体内に侵入し、血液の中の赤血球を破壊することで高熱が出る感染症です。熱帯・亜熱帯地域に広く見られ、世界で1年間に3~5億人の患者、100万人の死者が出ているそうです。
バリ島の隣にある今回の調査地「ロンボック島」と「スンバワ島」も、マラリア流行地域です。この島で、長崎大学熱帯医学研究所は、国際協力機構(JICA)の支援を受けて、インドネシア衛生局の職員と一緒に、マラリア対策に取り組んでいます。すぐにできるマラリアの予防策は、マラリア媒介蚊に刺されないようにすることです。このマラリア対策プロジェクトは、ハマダラカの特徴が地域によって異なるため、蚊の幼虫や成虫を採取してマラリア媒介蚊の特徴を解明し、地域に合ったマラリア対策を実践しています。
例えば、海岸沿いに生息するマラリア媒介蚊は、村の人たちが寝る頃に吸血活動を開始します。そこでプロジェクトは、海岸沿いの村に薬剤付き蚊帳を配布して、村の人達に蚊帳の中で寝るように呼びかけています。「プロジェクトのおかげで、マラリアになる人が減った」という、村の人たちの喜びの声を聞きました。日本でも、1935年頃までは年間数万人のマラリア患者が出ていたそうです。現在は、マラリア媒介蚊の撲滅の結果、海外で感染する「輸入マラリア」のみが報告されているそうです。みなさん、マラリア流行地域にお出かけの際は、厚手の長袖・長ズボンと蚊取り線香をお忘れなく!
◆質問などがありましたら…

 

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