農業機械のマイクロ・レンタル事業(AMRLEDプロジェクト)2年次完了のご報告

2014/05/14

ジーエルエム・インスティチュート(GLMi)が2012年8月から日本国際協力財団、フィリピンのマイクロファイナンス機関NOVOLEDと共同で開始した農機レンタルプロジェクト(ARMLED)の2年次が2014年3月をもって終了しました。2013年8月末で林友花里前フィールド・マネージャー(FM)が任期満了となり、9月より後任を務める皆元理恵現FMが、2年次の様子を報告します。
2013年4月より実施した2年次事業では、1年次に開始した農機レンタルサービスに加え、農業労賃や資材の低利貸付、作物保険の提供、また農機操縦士向けの保守管理トレーニングなどを実施し、より包括的なサービス展開を図りました。以下、2年次活動の詳細を報告します。

レンタルサービスを定着させる

1年次に耕耘機を8台、脱殼機を3台購入し、2ヘクタール以下の稲作農民を対象にレンタルサービスを開始しました。2年次は、サービス拡大と定着のため、既存及び新規村の議会や農民へのオリエンテーションを行い、結果一年間で7村143件の農家に農機を貸し出しました。
 

耕耘機オペレーションの様子

 

脱穀機オペレーションの様子

より包括的なサポートを目指す

1年次に実施した調査で、小規模稲作農民が、①農機へのアクセス制限や②融資へのアクセス不足等により、高利貸しに頼らざるを得ないなど、「負の連鎖」に陥っている事がわかりました。そこで、農機レンタルのみならず、米の生産工程全体を網羅できるような包括的なサポートが必要という観点から、ARMLEDでは2年次より、補足的サポートとして農業労賃支払いや堆肥等の資材購入のための低利貸付けサービスを開始し、一年間で63件の農家に提供しました。
 

西野代表理事の視察(2013年11月)

天災時のリスクを削減する

自然災害等による被害を補填する作物保険は、これまで0.5ヘクタール以上の農地しか加入することができませんでした。そこで、ARMLEDがPCIC(Philippine Crop Insurance Corporation, フィリピン作物保険会社)と共同で開発した小規模農地向け作物保険の制度により、0.5ヘクタール以下の農地でもグループ化すれば加入できることになりました。2年次は、それまで作物保険にアクセスできなかった小規模顧客を対象にARMLEDが取りまとめ、14件が作物保険に加入しました。
 

顧客農民への調査の様子

農機操縦士へのトレーニング

「援助によって提供された農機がゴミの山に」という話をよく聞きます。農機の保守管理は事業の持続性のためにも最も重要な課題のひとつです。ARMLEDの農機を良い状態で長期的に利用していくためには、ARMLEDのスタッフのみならず、農機を運転する農機操縦士の協力が欠かせません。そこで、ARMLEDは農機操縦士を対象に保守管理(Operation and Maintenance)のトレーニングを実施しました。
 

農機操縦士へのO&Mトレーニング

公的機関とパートナーシップを!

ARMLEDのサービスの幅を広げ、持続的に事業を行っていくためにも、公的機関との協力が欠かせません。ARMLEDは11月に関係公的機関とのパートナーシップに向けた会議を開催し、連携の目標とその重要性、それぞれがもつリソースの紹介、そして連携可能性について話し合いを行いました。なお、2年次は、PhilMech(Philippine Center for Postharvest Development and Mechanization, フィリピン・ポストハーベスト開発・機械化センター)とATI(Agricultural Training Institute,農業訓練協会)が実施するトレーニングにARMLEDスタッフが参加し、農機機械化や稲作技術向上のための訓練を受けました。その後、農機操縦士や農民に対して、トレーニングで身につけた知識や技術を伝授し、ARMLED組織全体の能力強化を図りました。
 

パートナーシップ会議

新たなサービスと3年次の課題

2年次には、可動式精米機を1台購入しました。3年次からレンタルを本格始動する予定で、ARMLEDのサービスの幅がさらに広がります。また、2015年3月のプロジェクト終了までに、ARMLEDが事業として持続できるよう、顧客数を増やし収益を確保できる状態にする必要があります。加えて、スタッフや農機操縦士、農民の能力強化のためにも、引き続き公的機関とのパートナーシップを図り、トレーニング等に取り組んでいきたいと思います。
 

可動式精米機

 

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